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社会の土台は人の経済生活にある

安倍首相は、28兆円規模の財政出動を行うというが、単に建設国債などの乱費で終わる。
無論のことその先にある狙いは、憲法改正のための地ならしにある。

憲法改正は、すでに衆参両院3分の2で議席を占有しており、発議が可能な情勢だ。
だが、先の参議院選挙での世論調査では、改憲は反対のほうが多い。
しかしながら、北朝鮮や中国の脅威を殊更に強調する一方で、経済政策で景気回復の空気を国内に行き渡らせれば、内閣の信頼が回復し、国民が賛成に傾くとの目論見がある。

私たちは、これに真っ向から反対する。
先の参議院選挙では「アベノミクスの継続」を訴え、小池氏は都知事選挙で「都政大改革」を打ち出し圧勝した。
ところが、この両者ともに「具体性」を欠く。

国家行政組織法に於いて、予算と政策は一体であると明記され、それが戦争産業であっても、原発産業であっても、社会保障産業であっても変わることはない。
例えば決算書は、日本を代表するトヨタでも街の中小企業でも同じである。

集めた税金や保険料、特別会計をどのように運用し、それを如何なる政策によって配分するかが政治マターになる。
この政治マター(政策)が、日本経済や将来を決めると云っても過言ではない。
私たちはここで2016年3月16日に官邸で開かれた、第1回「国際金融経済分析会合」において、ジョセフ・スティグリッツ・コロンビア大学教授が提示した資料に基づき、それはピケティ氏が指摘する格差是正提言とも重なる主張を行っていきたい。

失われた20年は25年になり、30年に至ろうとしている。
経済は停滞しており、非正規雇用が拡大している。
そのようななかで、金融政策に限界があること、そしてまた構造改革なくしての財政出動は、ますます格差を広げることなどを指摘することができる。
以下に、スティグリッツ教授が述べた提言から抜粋を示す。


大不況(the Great Recession)に関する誤った診断
・ 需要が足りないことが問題なのだ。

非対称な調整
・ 所得の低下に直面する国家(企業、家計)は消費を減少させざるを得ない。
・ 所得が増加した国家(企業、家計)はその分の支出を増加させていない。

当然の手段に関する対立する見解:金融政策
・ 金融政策は、概ねその役割を全うした。
・ 深刻な停滞時において、金融政策が極めて有効だったことはこれまでにない。唯一の効果的な手段は財政政策。
・ 本当の問題は、ゼロ金利制約ではない。金利を少し下げること(例えマイナスの領域に入ったとしても)は機能しない。
・ マイナス金利の試みは、景気を大きくは刺激せず、悪い副作用をもたらす可能性も。
・ 量的緩和政策は不平等を拡大した。しかし、(もしあったとしても)投資の大幅な増加にはつながらず、金融市場の不完全性あるいは不合理性により、リスクのミスプライシングやその他の金融市場の歪みをもたらした可能性。
・ 主な便益の一つは、競争的な通貨の切り下げである。しかし、それは、ゼロ・サム・ゲーム。
・ 適切な財政政策なしでは、「唯一の選択肢」問題は更に悪化する一途。

効果的な施策
平等性を高めるその他の施策は世界の総需要を増加させる。
・ 経済ルールの大転換:市場で得る所得をもっと平等に。
・ 所得移転と税制の改善。
・ 賃金上昇と労働者保護を高める施策。
・ いくつかの国では、組合や交渉を取り巻く法的枠組みを改善。

構造改革(Structural Reforms)
基本的な原則
・ 適切な需要なしには、サプライサイドの改革は、失業を増加させるだけで、経済成長には寄与しない。

機能するサプライサイドの施策
・ 人間への投資の拡大-より健康でより生産性の高い労働力を創出する。
・ 経済を再構築し、古い産業から新しい産業への移行に役立つ産業政策
・ 市場だけでは、これらの変革は作り出せない。
・ 競争政策-経済的な権力が合従することを防ぐ
・ 独占は産出を阻害する。
効果的でない(または逆効果な)サプライサイドの施策が多く存在する。
・ 法人所得税率の引下げ。
・ 金融市場の規制緩和。
・ 投資の減少、投機の拡大、市場の不安定化につながる。
・ 貿易政策においてサプライサイドの効果は期待されてこなかった。
・ 米国にとってTPPの効果はほぼゼロと推計される。
・ TPPは悪い貿易協定であるというコンセンサスが広がりつつあり、米国議会で批准されないであろう。

金融セクターからの害を防ぎ、以下も阻止する。
・ 過度なリスクテイク
・ 市場操作、略奪的貸付など
・ 市場における支配的地位の乱用

この道しかない
・ 政府と市場のバランスを取り戻す。
・ 政府・民間とは異なる「第三のセクター」や、新たな制度枠組みの重要性を認識する。

・ 緊縮財政をやめる。

総じて「行き過ぎた自由競争の弊害」を指摘するものとなっている。
簡明に云えば、消費を行う大多数の国民の実質賃金が低下(所得が増えないなかで)している一方で、優遇されている大企業は所得を増加させても、支出を増やしていない。

このような経済構造を是正するには、市場に任せるだけでは変革できない、すなわち国や自治体の変革に係る政策が必要なことを示している。国の将来債務(税金)を増やして、財政出動しても構造が変わらなければ、格差は増えるだけになる。

したがって国が政策として格差是正の政策(平等や環境)を行わない限り、市中需要は増えず、むしろ騒がれたようなタックスヘィブンなどへの国富流出が拡大することになる。

もう少し突っ込んで云えば、より国民が富み、よい環境の下で暮らせるようにすることが求められている。
そうしてここで、戦争や原発産業を評価するとき、国民は痩せ、劣悪な環境をもたらすのではないかとの批判が示される。

私たちの税金や保険料が、より私たちの福祉(広義の)に利用されることが肝要であって、そうでないところに支出された結果が今の赤字財政であるとも云える。

「税や保険料をしっかり払えば、将来の雇用や老後が安心であるという社会」を目指すのか、「大金持ちがカネを貯めまくり、一部をタックスヘィブンに逃がすような社会」がいいのか、「その選択」が求められていると云えよう。
私たちは、持続可能な前者の社会を希求し、今後も主張を続けて行く。(新しい旗も)

以上






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