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財政問題は何も解決されていない

改憲勢力で3分の2の議席を占めることとなった安倍政権だが、依然として「その目的」「成果」は詳らかではない。
選挙では「アベノミクス継続」を訴えたが、選挙が終わると「憲法改正」を云い出す。だが憲法9条2項改定は容易ではない。

それは日本国憲法自体の法理念が「平和主義」「基本的人権」「国民主権」を基軸に組み立てられており、2項だけを変えると憲法全体が傾いてしまう。これらについては、今後、秋の臨時国会以降動かすとされている憲法審査会のなかで、学識者や専門家から指摘があるだろう。

だが難解な憲法学の問題とは別に、法制定にあたって「なぜその立法や改正が必要なのか」という点が議論されていない。例えば先の安保法制の審議では、中国や北朝鮮の脅威や遠いホルムズ海峡紛争まで挙げられたが、米軍の後方支援を自衛隊が担って世界中展開すると、なぜ日本の防衛に資するのか論理的でない。

米軍は世界の軍事費の過半を一国で占める軍事大国だが、イラクやアフガン戦争で巨額の戦費(遠征費)が嵩み、現実は州政府との間で厳しい対立が起きている。帰還兵問題も社会問題化し、銃大国のなかに機銃を扱える元兵士が社会に多数存在し、それがテロや暴発の原因となっている。

日本を防衛するのだという意味での、自衛隊については、相応の国民理解が得られているが、米軍と世界中英国のように戦争して回るということに理解は得られているだろうか。

つまるところ「なぜ解釈改憲なのか」「なぜ明文改憲なのか」という点がまったく不明確なまま、安倍首相が数の力で強行しているようにしかみえない。それも選挙になると、経済をいい、終わると安保法制や特定秘密保護法などをやるというだまし討ちばかりしている。
国民を舐めているとしか思えない。

安倍首相はよく「政治技術」という言葉を使うが、それは単に「騙し」でしかなく、さようなものが「結実」するはずがない。アベノミクスに始まり、国民を騙して選挙に勝って政権を維持しているが、2020年頃には財政問題が国政に圧し掛かり、重要な局面を迎える。

いまの財政は、国が国債を刷って、日銀がそれを市中経由で買い入れ、予算を回している。
したがって日銀の買い入れが限界をきたすと国家財政が破綻する。
消費税をあげて税収が増える保証もなく、せいぜい預金封鎖を横目に、社会保障給付を削減することになる。
派手に選挙に勝った安倍首相の肩には、財政という重荷が食い込んでくる。
憲法改正は容易ではない、財政は重要な局面を迎えることになる。

困ったものだ。






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